キツツキのキ

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『未来の年表』レビュー、日本の人口が減って起こること

今、『未来の年表』という本が、人気で話題になっています。
早速、読んだので、思ったことを書きます。

「未来の年表」とは

講談社現代文庫から、2017年 6月に発売されました。9月には早くも第14刷が出るなど、かなり売れている本です。
作者は、産経新聞論説委員の河合雅司さんです

この本の流れ

この本は、
「はじめに」で簡単に日本の現状を説明し
「第一部」で、人口減少によってこれから起きることを時系列順にまとめています
「第二部」では、日本の未来のためにどうすればいいか、筆者の考えを述べています。

書評(感想)

では、感想を書いていきます。

「はじめに」を読んで思ったこ

「はじめに」には、我々(官僚も含めて)が人口減少の状況を理解していない、と書かれている
そして、衝撃的なデータを示されます。今1億2000万人の日本の人口が、40年後には9000万人、100年後には5000万人ほどに減るそうだ。

そして、日本の課題も示されます
「出生数の激減」「高齢者の激増」「社会の支えての不足」、それらの絡み合った「人口減少」である、と

「はじめに」は10ページほどですが、いきなり日本の危機を示され、自分の無知さ・呑気さを実感しました。

第一部 感想

第一部のはじめに、「人口減少カレンダー」が示されます。
それに書かれた事象が、ひとつひとつ説明されていきます。

「2018年 75歳以上人口が65〜74歳の人口を上回る」「2020年 女性の半分が50歳超え」「2039年 火葬場が不足」といったことが、33個挙げられています。

これらの問題は、もう目の前にあって逃げることはできない、と実感させられます。

第二部 感想

第二部では、日本が人口減少しても、「小さくとも輝く国」になるため「戦略的に縮む」ための筆者の提言が述べられています。

この提言の中で、一番参考になったのは、「社会保障費循環制度」です。簡単にいうと、人生で使った分の社会保障費を、遺産から払う、という制度です。

他にも、「地方移住推進」など、10個の提言があります。

全体的な感想

今まで、「日本の未来」について書いてある本はたくさんあったが、「人口減少カレンダー」のように、いつ何が起こるか、を書いた書籍はあまりなかったと思います。

第一部で未来の暗さを示し、第二部で解決策を示す。という流れはよかったと思います。
ただ、第一部が非常に現実的なのに対し、第二部の提言は、楽観的な部分もあるし弱いと思います。

正直、この本を読むと、暗い気持ちになります。こんなに危機的なことが、近い将来、起こるとは思っていませんでした。

非常に勉強になったし、「日本の未来」について考えるいい機会になりました。

学生はもちろん、老若男女にお勧めできる本です。